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”最低賃金”の値上げは、自らを逼迫するという懸念

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最低賃金が東京・神奈川を中心に1000円を超え、全国平均も901円になったことが報じられました。

これは、企業が従業員に支払わなければならない賃金として、時給を表すようになってから最も大きい引き上げだそうです。

厚生労働省の目安として発表しましたが、額面どおり受け取った方は、最低賃金が上がるなんてすばらしいと思われると思いますし、もし現場で働いている方でそれに該当する条件を満たし、実際の時給に変化があれば、喜ばしいことであると思います

引き上げの目安を地域別に出している条件を見ると

東京、大阪、愛知などのAランクが28円
京都、兵庫、広島などのBランクが27円
北海道、宮城、福岡などのCランクが26円
青森、愛媛、沖縄などのDランクが26円

になるようで、もしこの条件が適応されれば、東京が1013円、神奈川が1011円と、初めて時給1000円を超える計算になるそうです。

東京労働局のサイトにも、

東京都最低賃金は10月1日から時間額985円になります
東京都最低賃金は、東京労働局長(前田芳延)が時間額985円に改正決定を行い、平成30年10月1日から効力が発生します。
東京都内で事業を営む使用者は、効力発生後の労働に対し、東京都最低賃金である時間額985円以上の賃金を支払わなければ、最低賃金法違反(法第4条第1項、法第40条)となります。
東京労働局では、引き続き、改正された最低賃金額を始めとする最低賃金制度の周知及び中小企業・小規模事業者に対する支援施策を推進します。また、最低賃金の履行確保上問題があると考えられる業種、最低賃金額を下回ることが見込まれる事業場等を重点とした監督指導を行うことにより履行確保を図ります。

とあります。

税率が上がるタイミングに合わせて、最低賃金をあげることで、負担を緩和させる狙いがあるのかと思われます。

一見するとこれがとても税率の緩和策になるような印象を与えますが、中小企業としてはどうでしょう。

今回の発表と同時に、日本商工会議所の三村会頭のコメントも発表されています。

「『諸般の事情を総合的に勘案し』という必ずしも明確ではない根拠により大幅な引き上げが決定されたが、最低賃金の引き上げの直接的な影響を受ける企業がさらに増加することや中小企業の経営、地域経済に及ぼす影響を懸念する」

 

同様の政策が民主党政権時代の鳩山由紀夫が当時の2010年6月、当時713円だった最低賃金の全国平均を20年までに1000円に引き上げる目標を決定しており、それについて実行しようとしていた痕跡が伺われますが、実は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は最低賃金を昨年に16.4%、今年さらに10.9%も実際に引き上げています。

鈴置高史さんの過去の記事でも取り上げられていますが、これによる失業率が上昇する実態が明らかになっており、最低賃金の大幅な引き上げにより解雇が多発するなど、左派的な経済政策は大失敗をした。とそれについても詳しく書いてあり、それには個人的に共感する記事が寄せてあります。

ちなみに、実際の日本の最低賃金は、ほぼ前年の失業率に応じて決まる最低賃金も、雇用環境を反映して実際の賃金と似た動きになっています。

ただ今回気をつける点としては、秋以降税率が変わるという点です。どうにも財務省の税率引き上げの本筋から目をそらすための策を、政治家レベルで提案しているように見えてなりません。

 

これによって中小企業の経営が日本全国において逼迫し、解雇者が増え、労働条件を確保できないところが続出する負の連鎖に陥らなければ良いなと案じています。

 

 

このサイトは日々働く演奏家目線で書いていますが、最低賃金の改善は音楽家にとってもモチベーションに関わると思いますが、そもそも最低賃金という言葉と、ここ最近の生徒や労働条件の問題を抱えている個人団体の音楽家に対しての環境自体にもどういう影響があるのか注視していかなければならないと思います。

そもそも論ですが、最低賃金を上げるには、稼ぎ頭のソフトウェアを捻出&開発できる環境が整っている世の中なのか非常に疑問です。

そのような下地作りをしてこそ企業が自ずと最低賃金を上げていける環境になるのではないでしょうか。

 

その代償を払っているのは、紛れもなく当事者なのですから。

 

 

 

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hiroshiarakawa

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